つえすぎこうぼうだいし
杖杉弘法大師
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 弘法大師の鉄鉢を割った衛門三郎が子を失い巡礼の末に焼山寺で許され、60年後「衛門三郎再来」の小石を持つ子に生まれ変わったという伝説。
- 細部
- むかし愛媛県浮穴郡荏原村に住んでいた衛門三郎という人物は、托鉢に訪れた弘法大師の鉄鉢をたたき割ってしまったことがあった。すると間もなく、彼の八人の子供たちが次々と亡くなってしまう。これを深く悔いた三郎は、罪を償うため八十八か所の巡礼に出発した。ところが二十一度目の巡礼で今度は逆回りをしてみたところ、焼山寺で弘法大師その人に出会うことができ、ついに許しを得た。三郎が伊予の城主河野一族の跡継ぎとして生まれ変わりたいと願うと、大師は小石に「衛門三郎再来」と書きつけ、息を引き取る間際の三郎の左手にそれを握らせたという。これは天長八年十月三十日の出来事であった。大師は三郎の杖を墓標として地面に立てたが、その杖からはやがて芽が出て大きな杉に育ち、杖杉と呼ばれるようになった。それから六十年ののち、道後湯築城主の河野息利のもとに息方という男の子が生まれたが、この子こそ三郎の生まれ変わりであり、左手には「衛門三郎再来」と書かれたあの小石を握っていたという。
- 広まり方
- 2005年の『みなみ』に掲載された内田白花「其の一 饅頭を食べたお地蔵さん 其の二 内海,慈光寺の杖杉弘法大師」に記録がある。
- 地域
- 愛知県南知多町
- 年代
- 平安時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ