たいこざか
太鼓坂
国内
場所・異界
- どんな話か
- 久喜市の太鼓坂は、幸福寺の鐘を盗んだ竜を追って寺の竜が太鼓を持ち去った跡とも、夕暮れに現れた弁天様が太鼓の音に合わせて神楽を舞った跡ともいわれる坂である。
- 細部
久喜市の幸福寺の近くには、かつて鐘つき堂の主とされる竜が住んでいた。ある日、竜が近くの沼へ出かけて戻ってくると、寺の鐘が何者かに持ち去られていた。怒った竜は寺の太鼓を持ち出し、太鼓を借りていくが鐘が見つかったら返しに来る、と言い残してどこかへ去ってしまい、以来その太鼓を見た者はいない。今でもこの坂を通ると「ポン、ポン」という音が聞こえるといい、これは竜がこのとき太鼓を土の中に隠したためだと伝わる。
鐘を持ち去ったのは筑波山にすむ竜で、今も筑波山の寺で鐘をつくと「栢間恋し」と鳴るのだという。一方、ある夕暮れには、美しく着飾った弁天様が幸福寺の前に現れて坂の上で足を踏み鳴らし、太鼓の音に合わせて手にした琵琶を弾きつつ神楽を舞い、夜が明けるとともに姿を消したとも伝わる。この坂が太鼓坂と呼ばれるのは、こうした話にちなんでのことだという。
- 広まり方
- 1986年刊行の『新編埼玉県史 別編2(民俗2)』に根津富夫がまとめた記録として収められている。
- 地域
- 埼玉県久喜市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ