しんらんしょうにん
親鸞聖人
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 宿を貸した家に清水の湧く場所を教えた旅僧が、後に親鸞聖人だったとわかったという棡原の話。
- 細部
ある夕暮れ、一人の旅の僧がこの家に宿を求めてやってきた。翌朝、ここは清らかな土地だから何日か修行をさせてほしいと言うので、家の者は堂へ案内した。ちょうど家では水の出そうな場所を探していたところで、旅僧がその在りかを示してくれた。掘ってみると本当に清水が湧き出したが、この水は家で使う分だけしか出ず、女性が不浄の間は汲んではならないという約束つきだった。あるとき婆さんがうっかりその約束を忘れて水を飲むと、水はぴたりと止まってしまったが、旅僧に拝んでもらうと再び湧き出したという。
旅僧は百日間の修行を終えると七保地へ向けて旅立ち、それを見送った爺さんが、あれはただ者ではないから追いかけよと言ったので、婆さんは険しい山道を懸命に追い、身につけていた麻の前掛けに文字を書き記してもらった。旅僧の姿はやがて見えなくなったが、のちにその名僧こそ親鸞聖人であったと知れたという。行き来のたびに沢からヅヅという音がすることから、この沢は「ヅヅガ沢」と呼ばれるようになったとも伝わる。
- 広まり方
- 1979年の『井戸の民俗 山梨県北都留郡上野原町棡原』(都留文科大学民俗学研究会)口承文芸の章に、二つの伝説として記録されている。
- 地域
- 山梨県上野原市
- 年代
- 鎌倉時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ