ながされたきだしのこえ
流された木出しの声
国内
場所・異界
- どんな話か
- 堰が抜けて流された木出しの人夫たちの歌声が、雨の日になると川筋に響くという。
- 細部
- かつて山から木を流し出す作業の最中に、堰が不意にはずれる事故があった。川下で働いていた五十人ほどが一度に押し流され、命を落としたと伝えられる。それ以来、雨の降る日には、彼らが木を出しながら口ずさんでいた歌の声がその場に聞こえるようになった。残った性根が去らないのだと受け止めた土地の人々は、三月二十四日を祭りの日と定め、地蔵を建てて手を合わせるようになった。災害の記憶が音の怪異として語り継がれ、供養の行事へと結び付いた例である。
- 広まり方
- 1978年の『伊予の民俗』所収、三好豊「日吉村の民俗」に記録がある。
- 地域
- 愛媛県鬼北町
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ