さくらがいけ
桜が池
国内
場所・異界
- どんな話か
- 蛇身となった皇円が弥勒の出世を待つと伝わる池で、彼岸の中日に赤飯を沈める神事が今も語られる。
- 細部
- 備後阿闍梨皇円は、自らの身を蛇に変えて遠江国笠原庄の桜が池に棲み、弥勒菩薩がこの世に現れるのをそこで待とうと願ったという。臨終に際して使いの者がこの池の水を汲もうとした瞬間、池は激しく荒れ、それはちょうど皇円が息を引き取った時刻と重なっていたと伝わる。今でも静かな夜には池のほとりで鈴の音が聞こえるといわれ、毎年8月の彼岸の中日の正午には、泳ぎの達者な者が赤飯を盛った半切り桶を池の中ほどまで押し出して手放す風習がある。手放された桶は池の水が渦を巻くとともに沈んでいくという。この池は男池・女池と呼ばれる方五町ほどの二つの池からなり、社には牛頭天王が祀られている。
- 広まり方
- 1975年刊『日本随筆大成第二期』所収、菊岡沾凉「諸国里人談」による。
- 地域
- 静岡県御前崎市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ