さかさやつはしのいけ
逆川八ツ橋の池
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 元禄の頃、嫉妬から愛妾綾目を殺した本妻の企みが、鏡に映った霊と歌舞妓の夢によって露見したという話。
- 細部
元禄のころ(1688~1704年)、清水小路の連坊小路寄りに浅間某という身分の高い侍の屋敷があり、そこに八ツ橋の池と呼ばれる小さな沼があった。浅間某は池のほとりの離れに愛妾の綾目を住まわせ深く寵愛していたが、本妻の撫子はこれを妬み、情夫の大橋某と共謀して綾目を手にかけ、亡骸を池の泥の中深くに沈めてしまう。そのうえで、綾目は不義を働いて出奔したのだと主人に讒言した。
その秋、浅間某は歌舞妓の五月女を宴席に呼んで侍らせたが、五月女が化粧をしようと鏡をのぞくと、映るのは自分ではなく姉のような存在だった綾目の顔だった。周りの者に確かめさせても五月女自身の顔にしか見えないというので、不審に思っていたところ、その夜の夢に綾目の霊が現れ、自分は殺されて池の底に沈められている、この無念を晴らしてほしいと訴えて消えた。この話を聞いた浅間某が池の底をさらわせると、果たして愛妾の亡骸が見つかった。
五月女が再び鏡に向かうと、今度は一羽のほととぎすが鏡から飛び出し、西の方角へ飛び去っていったという。また、池からの小さな流れが以後西へ逆に流れるようになったため、この川は逆川と呼ばれるようになった。
- 広まり方
- 『宮城縣史 民俗3』(1956年)の妖怪変化・幽霊の事例篇に記録されている。
- 地域
- 宮城県仙台市
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ