すぎたいなりのろうばのれいけん
椙田稲荷の老婆の霊験
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 祈祷を知らない老婆が稲荷を拝んだだけで病人を治し、以来参詣者が絶えなかったという話と、口中の病を治す霊験譚。
- 細部
- 麻布で寛政八年の秋ごろ、霊夢を見た人が椙田稲荷近くの老婆に祈祷を頼んだ。老婆は祈祷の作法など知らなかったが、稲荷を拝みながら病人の腹をさすってやると、たちまち病が治ったという。以来評判が広まって参詣者が増え、老婆は求める者に洗米を配り、尋ねられたことにはことごとく正しく答えたと伝わる。もう一つは、口中の病で死んだ大名の奥方が「今後同じ悩みを持つ者は私に祈れ」と言い残し、その霊験にあやかって墓の土を分けた寺に石塔が建てられたという話である。祈祷の心得もない者や死者の言葉が、実際に病を治す力を持ってしまう点が異様とされる。
- 広まり方
- 『梅翁随筆』(著者未詳)と『古今雑談思出草紙』(東随舎)が『日本随筆大成』第二期・第三期(1974・1977年)に収められている。
- 地域
- 東京都港区
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ