ねんぶつ
念仏
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 寛文7年、狂人のようで実は念仏者だった利兵衛が往生を予告し、雷電の代わりに大雨を呼んだという話。
- 細部
- 阿州中郡黒土村に、手ぐり網曳の利兵衛という漁師がいた。ふだんは狂人のように見られていたが、実は誰にも劣らぬ熱心な念仏者で、彼の網には他の者よりも多くの魚がかかったという。寛文七年六月十五日、利兵衛は今日往生するのでと言って酒を求め、周囲は例の狂気かと思って聞き流していた。しかし利兵衛はひとしきり酒を飲んだのち浜へ出て、西に向かって念仏を唱えながら息を引き取った。かねてより自分が往生するときには雷電が鳴ると語っていたが、当時は大干魃の最中であったにもかかわらず、実際には雷ではなく大雨が降ったという。
- 広まり方
- 1974年の『日本随筆大成第二期』所収、神谷養勇軒「新著聞集」に記録がある。
- 地域
- 徳島県阿南市
- 年代
- 江戸時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ