まよいが
マヨヒガ
国内
場所・異界
- どんな話か
- 山中で迷い込んだ者だけがたどり着けるという無人の立派な屋敷。何も持ち出さずに帰ると後から富が転がり込むが、欲を出して探しに戻っても二度と見つからないとされる。
- 細部
『遠野物語』第63話・第64話に記録されており、第63話では、迷い込んだ屋敷から流れ出てきた赤い椀を拾って雑穀を量る器に使った妻の家がその後富み栄えたとされる。一方第64話では、これを聞いて欲を出しマヨヒガを探しに山へ入った村人が二度とたどり着けなかったという対照的な話が伝えられている。屋敷には人影がないのに家財道具や家畜だけがそろっているとされ、無欲さが幸運を呼び込む条件として語られている点が特徴である。
1995年刊『東北民俗』所収の竹内利美「『かくれ里』伝承」には、蕗を採りに山へ入った女がひときわ立派な黒い門構えの家を見かけ、山男の住みかではないかと恐ろしくなって逃げ帰ったという型が記録されている。後日、家で洗い物をしていると川上から赤い椀が流れてきたので拾って持ち帰り、ケセネという穀物を量る器に使うようになると、いくら使っても穀物が尽きず、その家はしだいに豊かになったという。
一度立ち去ると同じ場所を再訪しても見つからないとされ、東北から関東にかけて類話が伝わる。
- 広まり方
- 柳田國男が佐々木喜善から聞いた話を『遠野物語』にまとめたことで知られるようになり、日本各地に分布する「隠れ里」型伝説の代表例として民俗学の文献でもたびたび引用されている。1995年の『東北民俗』所収、竹内利美「『かくれ里』伝承」にも採録されている。山奥に忽然と現れて二度とたどり着けなくなるという筋立ては、廃村や異界に迷い込む型の現代の怪談にも受け継がれており、近年もアニメ『迷家-マヨイガ-』などの題材として引用されている。
- 地域
- 岩手県遠野市の山中
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ