たかやましのこうぼうだいしとざいもくいし
高山市の弘法大師と材木石
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 水を断られて水無の地名を残した話や、雨中に脱いだ笠や蓑が石になった話、天邪鬼に阻まれ材木が材木石になった一夜建立の話などが伝わる。
- 細部
上宝町には弘法大師にまつわる話がいくつも伝わっている。旅の途中で喉が渇いた弘法様が水を求めたところ、土地の人に「この水は飲めない」と断られたため、大師は怒ってその水を止めてしまい、以来水が出なくなってその土地は水無と呼ばれるようになったという。また、弘法大師の道中では激しい雨が降り続いていたが、神岡との境界に差しかかるとぴたりとやんだという。そこで脱いだ笠がそのまま石になり、続く岩井戸で脱いだ蓑も石になり、細越では杖までもが石になったと語られている。
もっとも多く伝わるのが、一夜のうちに寺やお堂を建てようとした弘法大師と、それを邪魔しようとしたアマノジャクをめぐる話である。夜のうちに材木を切り出し、双六に材木を、葛山に帽子や烏帽子を、細越に杖を置いて作業を進めていたところ、完成間際にアマノジャクが鶏の鳴き真似をして「夜が明けた」と偽ったため、弘法大師は夜明けと思い込んで作業を中断し、あるいは逃げ出してしまった。残された材木や道具はそのまま石に変わり、材木石、烏帽子岩、杖岩などと呼ばれる岩になったと、少しずつ形を変えながら語り継がれている。
- 広まり方
- 1980年の『民俗採訪』掲載、国学院大学民俗学研究会「岐阜県吉城郡上宝村」に記録されている。
- 地域
- 岐阜県高山市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ