けちやま
ケチ山
国内
場所・異界
- どんな話か
- ケチ山と呼ばれる山々は買うと災いがあるとされ、祟りの言い伝えや炭焼き中の怪異が数多く語られている。
- 細部
庵原郡両河内村にはケチ山と総称される山がいくつもあり、地元では手を出すと祟りに遭うとして買うことを避けてきた。ウルシクボの山は、勝負の末に命を落とした者を弔わずに埋めたためにこう呼ばれるようになったといい、別の場所では大きな桜を切ったところ幹から血のようなものが流れ出たためケチ地とされた。山中から鶏の鳴き声が聞こえるという鶏山では、かつて天王様が鎮座し、ボーコという怪も棲んでいたと語られる。
炭焼き小屋では竈の中に幣束が突き立ったり、竈前で舞い踊ったり、焚き口が塞がれたりする不可解な出来事が相次いだといい、恐れをなして炭焼きをやめた者もいた。うる山と呼ばれる一角では、仕留めた猪を何者かが木遣り歌とともに山の上へ運び去ってしまうといい、天狗の仕業ではないかと噂された。ここに作物を植えても土くれがキリギリスに姿を変えて食い荒らすため実らないとも伝わる。竈に開けた空気抜きの穴からは、開けるたびに蛇が一匹ずつ出てきたという話も残っている。
- 広まり方
- 1955年の『民俗採訪』所収、國學院大學民俗学研究会による静岡県庵原郡両河内村調査の記録に基づく。
- 地域
- 静岡県静岡市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ