かんのんのみず
観音の水
国内
場所・異界
- どんな話か
- 峠の清水で観音に額づいた足の不自由な若者が立てるようになり、争いが起きると観音は消えた。
- 細部
- 明治十年ごろのこと、塩尻峠を這うようにして登っていた若い躄が、清水の湧く場所で喉を潤した。ふと目を上げると観音の姿があったので、近寄って額を地につけて拝んでいるうちに、そのまま深い眠りに落ちてしまった。やがて目を覚ますと、立ち上がることができるようになっていたという。この評判は瞬く間に広まり、参る者が日ごとに増えていったが、供え物の取り分をめぐって人々が言い争うようになると、観音は跡形もなく姿を消してしまった。同じ清水は悪僧が岩に潰されたという大石の話にも登場する。
- 広まり方
- 1932年の『俚俗と民譚』所収、福島福五郎「躄が立った話」に記録がある。
- 地域
- 長野県諏訪市
- 年代
- 明治時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ