いわややま
岩屋山
国内
場所・異界
- どんな話か
- 岩屋山で断食や火の物断ちをして祈願すると、肺病や眼病、性病、中風などさまざまな病が治ったという8つの霊験譚を集めた話。
- 細部
- 岩屋山にまつわる霊験の言い伝えは数多く残されている。大正十一年には、肺の重い病に苦しんでいた伊勢の女性がひとりで山にこもり三十七日間の断食祈願を行ったところ、初日から気分がよくなり一週間ほどで回復に向かったという。大正十五年には、脳神経衰弱に悩んでいた名古屋の男性が十七日間の断食のあと三十七日にわたって火を通したものを断つ行を続け、すっかり以前のことを忘れるほど元気になった。大正十三年ごろには、眼病でどこにも頼るあてがなかった美濃の男性が岩屋山で祈願を続けるうち、二週間で屋根瓦が見え、三週間で遠くの山が分かるようになり、六週間ですべてがはっきりと見えるようになったと伝わる。大正十二年には、若い頃の放蕩がもとで重い性病にかかった名古屋の男性が、夏の盛りに十七日間の絶食を行って根治したという。両足の自由が利かなかったある人は、四国巡礼の途中で岩屋山にたどり着き、三か月にわたって火の物を断つ行を続けて全快した。大腿部に大きな白なまずのあざがあった若い女性は、恥ずかしさをこらえながら二週間の断食を行い、ついにあざを消し去った。昭和四年には、中風で指を握ったまま伸ばせずにいた名古屋の女性が三週間祈願を続けたところ、指が伸びて自由に動くようになったという。また、商売が傾いたうえに脚まで悪くしてしまった愛知県のある男性は、火の物断ちをしながら一週間岩屋山に籠ったところ脚の具合が良くなり、家に帰ると商売の運も再び上向いたと伝えられている。
- 広まり方
- 1973年の『みなみ』に掲載された山本錠之助「弘法様と岩屋山 四、岩屋山霊験記」に、これらの体験談がまとめて記録されている。
- 地域
- 愛知県南知多町
- 年代
- 大正時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ