みなみあるぷすのひとつめこぞうとたろうすけ
南アルプスの一つ目小僧と太郎助
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 山小屋に一人残った太郎助が一つ目小僧と怒鳴り合って追い払ったが、それがもとで死んでしまったという話。
- 細部
さかね沢の山小屋では、太郎助という若者が大勢の村人とともに木こりの仕事で寝泊まりをしていた。当時、十二月十三日には仕事を休んで家に帰る決まりになっていたが、太郎助だけはその日も山小屋に残っていたという。夜中、外の物音で目を覚ました太郎助が入口のほうを見ると、一つ目小僧がじっとこちらを見つめていた。一つ目小僧が今夜の酒の肴は何だと大声で凄んできたので、太郎助も負けじとお前の目玉だと怒鳴り返したところ、一つ目小僧はそのまま逃げ去っていったという。
夜が明けてから太郎助は無事に家に帰り着いたものの、この出来事がもとでほどなく亡くなってしまったと伝えられている。以来、沓沢の集落では、鰯をヒイラギやからたちの枝に刺して門口に置く習わしが生まれたといい、これは一つ目小僧がのぞき込んだ際にその目を刺すためだと説明されている。
- 広まり方
- 1962年の『甲斐路』に中込松弥が記した「芦安谷の正月行事」に収められている。
- 地域
- 山梨県南アルプス市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ