ぐじょうのつづみをもちさるりゅう
郡上の鼓を持ち去る竜
国内
場所・異界
- どんな話か
- 冠婚葬祭で入用の膳椀や鼓を紙に書いて淵に願うと貸してもらえたが、返さなかった者が現れて以来貸し出しが絶えたという椀貸し伝説。
- 細部
和良町の蛇穴には、器物を貸し出す神様が棲むと信じられていた。冠婚葬祭などで膳椀や鼓が足りないとき、必要な数を紙に書いて蛇穴の淵に流すか、あるいは口に出して蛇穴の神様に願うと、翌日にはきちんと用意されて貸し出されたという。ところがある時、鼓を10個借りたうちの1つを返さなかった者がいたところ、たちまち大嵐となり、竜が姿を現して隠していた鼓をくわえたまま天へ昇っていったという。
別の話では、戸隠神社の祭りで足りない鼓を借りて返さなかった際にも同様に竜が現れて鼓を持ち去ったといい、また膳椀を割ってしまい返さなかった者の家は火事に見舞われたとも伝わる。こうした不義理が重なった結果、蛇穴はそれ以来何も貸してくれなくなったという。
- 広まり方
- 1979年刊『和良の民俗―岐阜県郡上郡和良村―』の「九 口承文芸」(東洋大学民俗研究会)に記録されている。
- 地域
- 岐阜県郡上市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ