こはまのしらたまつばきのきえるあま
小浜の白玉椿の消える尼
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 人魚の肉を食べて800歳まで生きたという娘の伝説で、若狭各地にその姿や住処の言い伝えが残る。
- 細部
斎明天皇の御代、16歳だった娘のもとに竜王が白髪の老人に姿を変えて現れ、人魚の肉を与えたという。その肉を口にした娘はそのまま歳を取らず、800年もの長い年月を生きたと伝えられる。元和5年には、若狭の白玉椿という場所で、夜ごとに舞い戯れる尼の姿を見た者があり、人と行き合うとふっと消えてしまったという話が伝わる。これはかつてその場所に住んでいた尼の魂ではないかと考えられ、土地の神職が祠を建てて祀ったところ、以後は怪しい出来事が起こらなくなったという。
また、若狭国小松原の生まれで、父親が釣り上げて捨てた人魚を拾って食べたために長命を得たという語り方もあり、後瀬山のふもとの寺の境内には彼女が住んだという洞穴が残り、近くの坂で転んでそのまま亡くなったとも伝わる。晩年に住んだ空印寺は800歳になってもなお15、6歳の容貌を保っていた彼女にちなんで、その名を伝える寺として知られている。
- 広まり方
- 『庚申』1960年掲載、窪徳忠「庚申縁起話」のほか、『日本随筆大成第二期』所収の梅の舎主人『梅の塵』(1973年)、山崎美成『提醒紀談』(1973年)、菊岡沾凉『諸国里人談』(1975年)に記録がある。
- 地域
- 福井県小浜市
- 年代
- 飛鳥時代
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ