ちきりふち
ちきり淵
国内
場所・異界
- どんな話か
- 落城の際に機織り道具を抱いて入水した姫の伝説が残る淵で、機を織る音に近づいた若者が正気を失ったという。
- 細部
- 落城のときに機織りの道具であるちきりを手放さぬまま、姫が城の裏手にある淵へ身を投げて命を絶ったと伝わる。それ以来、この淵では耳を澄ますとちきりを操るかすかな音が聞こえるといい、ある若者が音に引かれて水中へ潜ってみると、腰から上は人間で下半身は大蛇という姿の者が、長い髪を振り乱しながら機を織っていた。これを目撃した若者はひどく怯え、正気を失ってしまったという。別に伝わる話では、この淵に身を投げたのは敵勢に追われた豪族の娘だとされ、こちらの伝えでも今なお機を織る音が響くと語られている。入水した女性が機音として淵に留まり続けるという筋書きを、複数の言い伝えが共有している。
- 広まり方
- 1978年刊『広島県史 民俗編』所収、村岡浅夫「厳島伝説の周辺」および「県北の伝説」に記録がある。
- 地域
- 広島県安芸高田市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ