あま
尼
国内
人型の怪異
- どんな話か
- 貧しい左近丞夫婦が尼に道案内をした縁と、妻が乳母に望まれた縁とで、それぞれ福運を得ていく梅津長者物語の二つの場面を伝える。
- 細部
- 貧しさに苦しみ入水まで口にした妻を、夫の左近丞がなだめて暮らしていたある日、左近丞は美しい尼と道で出会い、案内役を務めた礼として十銭を受け取る。夫婦はこれで餅を買おうと相談し、妻が買い物に出た帰り道、今度は老翁に呼び止められて餅を所望される。妻が自分の分の餅を差し出すと、翁はすぐに恩を返すと言い残して西へ去っていった。その晩のこと、夫婦がそろって見た夢の中に気高い人物が現れ、妻の情け深さのおかげで命が助かったこと、そしてこの家に取り憑いている貧乏神を追い払ってやろうということを告げる。名を尋ねると「えびす三郎」と答えたところで目が覚め、枕もとにはえびすの像が置かれていたという。ほどなく妻は男の子を授かる。もう一つの場面では、門を叩く音とともにかつての尼が再び訪ねてくる。尼は関白家に仕える身であること、生まれたばかりの若君がどうしても乳母の乳房を口にしようとしないこと、代わりの乳母を探すうちに夢のお告げを受けてこの家を訪ねたのだと語る。妻が関白邸へ赴くと若君はたちまち妻の乳房に吸いついたため、妻は乳母に選ばれて数々の引き出物を賜り、左近丞も五位の尉に任じられて大夫将監と名乗るようになり、梅津の里を末永く治めることを許されたという。
- 広まり方
- 伝承文学研究2001年掲載、真下美弥子「『梅津長者物語』と『牛頭天王縁起』-お伽草子庶民物の塑像-」に記されている。
- 地域
- 京都府京都市
- 年代
- 不明
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ