ゔりこらかす
ヴリコラカス
Vrykolakas
国外
未確認生物
- どんな話か
- 埋葬の作法を誤ったり不信心な生涯を送ったりした死者が、腐敗せず膨れ上がった姿で蘇り、夜ごと家々の戸を叩いて住人の名を呼ぶというギリシャの言い伝え。呼びかけに応えた者は死ぬとされた。
- 細部
ヴリコラカスはギリシャ民間伝承に登場する不死の死者で、血を吸うことよりも人肉、特に肝臓を食い荒らすとされる点で西欧の吸血鬼像と異なる。破門された者、聖別されていない土地に葬られた者、狼に噛まれた家畜の肉を食べた者などが死後この姿になるとされ、遺体は腐敗せず太鼓のように膨れ上がり血色よく見えると信じられた。墓を荒らし、家々の戸を叩いて住人の名を呼ぶといった怪異を起こすとされ、名を呼ばれて応えた者は死ぬと恐れられた。
西欧で広く知られる契機となったのは、1701年にミコノス島を訪れたフランス人植物学者ジョゼフ・ピトン・ド・トゥルヌフォールが、島民が疑わしい遺体を掘り起こし心臓を取り出して焼く「退治」の様子を記録し、旅行記で紹介したことである。20世紀に入ってもこの信仰は残り、1941〜42年のギリシャ大飢饉の際には、聖別されていない土地に葬られた家族がヴリコラカスになるのを防ぐため遺体を斬首した例が記録されている。
- 広まり方
- ミコノス島をはじめ各地で口伝えされてきた民間伝承だが、18世紀にフランス人旅行家の旅行記を通じて西欧に紹介されたことで国際的に知られるようになった。
- 地域
- ギリシャ(ミコノス島ほか各地)
- 年代
- 近世(1701年の記録が有名、信仰自体はより古い)
- 検証状況
- 伝承由来
近代以前の民間伝承が下敷きになっている。 - タグ